ブックレビュー:WEB+DB PRESS Vol.62
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2011/4/27 水曜日 matsui Posted in ブックレビュー No Comments »

WEB+DB PRESSの最新号が発売になり、モバイル向けの新連載もありましたので、レビューを書かせて頂きたいと思います。

 

→ Amazon WEB+DB PRESS Vol.62 [amazon.co.jp]

 

目次と内容の概要は、こちらの出版社のページにあります。

→ 技術評論社 WEB+DB PRESS Vol.62 [gihyo.jp]

 

本号の特集は、

  • HTML5/CSS3/JavaScript実践入門
  • [速習]Amazon Web Services
  • Linuxの基礎知識

です。

第一特集は4月ということもあり、フレッシュマンに向けた記事になっているのだと思います。
実際に新人が入った場合は、このあたりを一から教えるのは結構面倒なものなので、このような記事の形でまとまっているのは嬉しいですね。

 

第二特集としては、最近東京リージョンができてますます盛り上がっているAWSについてです。
先日EC2でトラブルがあったりもしましたが、やはりクラウドサービスの中では定番の位置を築いています。
「賢い始め方・作り方・移行の仕方」ということで、はじめてAWSを使う方にとってはためになる記事になっているのではないでしょうか。

 

第三特集も、初心者向けの記事で「~Webアプリ開発者が押さえておきたい~Linuxの基礎知識」です。
vimの使い方やコマンドやパイプなど、Linux基礎的なところについて解説されています。

 

さて、当ブログを見に来る方であれば、モバイル向けの記事が気になっていると思いますが、本号からスマートフォン向けの新連載が始まっています。

「スマートフォン開発倶楽部」という連載タイトルで、第一回目として「開発ことはじめ iPhone&Android環境構築とUIの基礎」という記事が掲載されています。

7ページの記事で、序盤はiPhoneやAndroidの開発環境のセットアップの仕方について、後半は画面デザインのポイント、特にiPhoneとAndroidとでデザインを共通にするかどうかについての考察が書かれています。

このあたりのリソースの共用化は、両対応アプリを作っていく上ではどうしても意識しなくてはならないところですので、なかなか興味深いところです。

今後もiPhoneとAndroidの両方に対応するハイブリッドな内容に焦点を当てていく予定とのことですので、次回にも期待したいところです。

 

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ブックレビュー:Flash プロの現場の仕事術 CS5/CS4/CS3対応
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2011/4/14 木曜日 matsui Posted in Flash, ブックレビュー No Comments »

著者の一人である高橋さんからご献本いただきました。ありがとうございます。
レビューを書かせていただきたいと思います。

 

→ Amazon.co.jp: Flash プロの現場の仕事術 CS5/CS4/CS3対応 [amazon.co.jp]

 

本書「Flash プロの現場の仕事術」は、最前線で働くクリエイターの方たち8名の共著となっています。

目次は以下の通りです。

  • Chapter01:Flashの基本テクニックとワークフロー
  • Chapter02:素材の処理
  • Chapter03:コンテンツ制作
  • Chapter04:FLVやサウンドの処理と演出
  • Chapter05:ActionScriptスクリプティング
  • Chapter06:モバイル
  • Chapter07:フィニッシュワークとグループワーク

 

より詳しい目次は、こちらの出版社のページにあります。

→ マイコミ ブックス – Flash プロの現場の仕事術 CS5/CS4/CS3対応 [book.mycom.co.jp]

 

1章~4章の序盤ではFlashの基本テクニックや、素材の処理の仕方、ムービーの処理の仕方など、基本的な技術が紹介されています。

しかしながら、その中でもポイントとなる点が細かくピックアップされていたり、コラムの欄で関連する知識が紹介されていたりで、通常よくあるようなただのチュートリアル型の書籍に比べると実践的なものになっていると思います。

 

5章ではActionScriptについて触れられています。

プログラマ向けの内容というよりは、デザイナーが表現をする上で使うようなスクリプトが多く紹介されています。

加えてサンプルだけではなく、エラーの箇所を効率的に見つけたいであったり、ActionScriptがもっとうまくなりたいといった今後の学習の指針など、少ないページながらもノウハウやコツの伝達に力を入れているようです。

 

6章はモバイル向けFlashの情報についてです。

本ブログの読者であればもっとも気になる章だと思います。

PC版に比べると機能が限定されているFlash Lite1.1についての情報や、画面が赤くなったりフリーズするといった、ケータイ向けFlashで陥りがちな状況についての解説が行われています。

最後の章である7章では、フィニッシュワークとグループワークということで、パフォーマンスチェックであったり、グループ開発のテクニックがまとめられています。

 

通していえるのは、従来の書籍とは少し違い、ノウハウやハマりどころの紹介に力を注いでいるということです。

本来実務を通して経験しなくてはならないそのあたりの技術をこのように学べるのは、とても効率がよいと思います。

特に経験の浅いFlashクリエイターにとっては、諸先輩方の貴重なノウハウが学べる一冊になっているのではないでしょうか。

 

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ブックレビュー:Software Design 2011年4月号 (特集:MacBook Airで環境構築 iPhoneアプリ開発[超]入門)
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2011/3/24 木曜日 matsui Posted in iPhone, ブックレビュー No Comments »

昨日に続いて今日もブックレビューです。

今月号のSoftwareDesginに、「特集:MacBook Airで環境構築 iPhoneアプリ開発[超]入門」という特集記事がありましたので、レビューを書かせていただきたいと思います。

 

→ Software Design (ソフトウェア デザイン) 2011年 04月号 [雑誌] [amazon.co.jp]

→ 技術評論社 SoftwareDesign 2011年4月号 [gihyo.jp]

 

最近はさすがスマートフォン開発が流行っているようで、先月のAndroidに続いて、今月はiPhone開発の特集記事です。

巻末に下の写真のように付録のような形で、32ページの記事が掲載されています。
しかもフルカラーです。

 

目次は次のようになっています。

  • 第1章:Macがなければはじまらない iOSアプリ開発の環境を整えよう
  • 第2章:Xcode/Interface Builderにふれてみよう iOSアプリ開発ツールの使い方
  • 第3章:手を動かして開発のイメージをつかもう くるくる回るおみくじアプリの実装
  • 第4章:改良/アイコン設定/ローカライズで仕上げ 完成! おみくじアプリ
  • 第5章:これからなにを,どう学べばいいのか 思い描いたアプリを創るための道標

 

内容としては、Macを持ってない人のために、Macの機種選定から始めるという、まさにタイトル通りの「超入門」となっています。

記事の中も、写真がいっぱいで、しかも間違えないように赤矢印で明確な指示が書かれています。

これ以上親切な入門記事を見たことがない、というくらいに親切丁寧な内容となっています。

 

指示に従い操作を行って、サンプルコードを打ち込めば、動くおみくじアプリが実装できるようになっています。

SoftwareDesignの読者層を考えると、少し簡単すぎやしないかと心配になるくらいです。

その分、過去に挫折したという方や、非プログラマの方には、とても良い入門記事になっていると思います。

 

また、特集ではありませんが、Androidエンジニアからの招待状という6ページの連載でも、Googleの「App Inventor」に関する記事がありましたので、興味のある方はそちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

関連:



ブックレビュー:体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方
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2011/3/23 水曜日 matsui Posted in ブックレビュー 1 Comment »

著者である徳丸氏からご献本戴きました。
ありがとうございます。

476ページもあり、かつ内容もかなり濃いという大変読み応えのある本で、戴いてから少し時間がかかってしまいましたが、レビューを書かせて頂きたいと思います。

 

→ amazon 体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 [amazon.co.jp]

 

本書はかなり人気のようで、Amazonでは発売後まもなく完売となってしまいました。
こちらのブログエントリーによると増刷が決まっているとのことですので、しばらく待つと入荷されるのではないかと思います)

なお、下記のサイトではまだ購入できるようです。
また本屋によっては在庫が残っているところもあるようですので、探してみてはいかがでしょうか。

→ 丸善&ジュンク堂 [junkudo.co.jp]
→ 紀伊國屋書店BookWeb [bookweb.kinokuniya.co.jp]
→ オンライン書店ビーケーワン [www.bk1.jp]

 

著者は、HASHコンサルティング株式会社の徳丸浩氏で、Webアプリケーションのセキュリティ、特にかんたんログインの脆弱性など、ケータイのセキュリティに関する多くの発表を行っているため、当サイトでも過去に何度もブログや発表されたセキュリティ情報を、紹介記事として取り上げさせていただいたことがあります。

 

さて内容についてですが、章立ては次のようになっています。

  • 1章 Webアプリケーションの脆弱性とは
  • 2章 実習環境のセットアップ
  • 3章 Webセキュリティの基礎 ~HTTP、セッション管理、同一生成元ポリシー
  • 4章 Webアプリケーションの機能別に見るセキュリティバグ
  • 5章 代表的なセキュリティ機能
  • 6章 文字コードとセキュリティ
  • 7章 携帯電話向けWebアプリケーションの脆弱性対策
  • 8章 Webサイトの安全性を高めるために
  • 9章 安全なWebアプリケーションのための開発マネジメント

 

出版社のサイトに、更に詳細な目次があります。

→ ソフトバンク クリエイティブ 体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 [sbcr.jp]

 

全9章からなる構成となっており、上記サイトを見て貰えるとわかるのですが、かなり濃密な内容になっています。
(なんと書籍上では、目次だけで14ページもあります)

まさにこれ一冊でWebアプリのセキュリティについて網羅されている感じです。
また例として扱っている言語も、PHPをはじめとして、PerlやJava、VB.NETなど多岐にわたっています。
(中でも例が多く、一番詳しく扱われているのはPHPのようです)

 

一つ大きな特徴としては、脆弱性のサンプルを格納したVMWarePlayer用のCD-ROMが付属している点です。
ここ最近CD-ROM付きの書籍はすっかり減ってしまったので珍しいですね。

こういう形で脆弱性のサンプルを動かして学ぶことができるというのは、面白い試みだと思います。
これによって、読者が実際に脆弱性とその危険性を認識し、動作原理も理解しやすくなっていると思います。

 

各章の基本的な流れとしては、脆弱性の説明とそれが起きるケースの例をあげ、その対策法を解説していくという形になっているようです。

脆弱性とは何か、あると何故まずいのかといったところから、HTTPプロトコルの解説、攻撃の種類といった基本的なところから始まり、XSSやSQLインジェクション、CSRF、セッションハイジャックなどなどの各種具体的な手法まで、幅広いだけではなく、それぞれかなり濃密な解説がなされています。
これだけ網羅性が高く、かつ丁寧に書かれた書籍は、なかなか珍しいと思います。

 

加えて我々ケータイ開発者にとって嬉しいのは、「携帯電話向けWebアプリケーションの脆弱性対策」という形で、ひとつ専用の章が用意されていることです。

ここではキャリアのゲートウェイを通じてアクセスが行われるというケータイならではの特徴や各端末の技術仕様について、機種によってはクッキーが使えない点、またセキュリティの面から大きな話題を呼んだ「かんたんログイン」についてなどの解説が行われています。

この辺りはさすがケータイのセキュリティに強い徳丸氏の得意とするところということもあり、従来の書籍では触れられていないようなところまで、しっかりと解説されています。

 

Webアプリのセキュリティの基礎部分から高度なところまでカバーし且つ内容の濃い、非常に完成度の高い内容になっていると思います。

Webアプリケーションを開発している技術者の方には、ぜひ読んでおいて欲しい一冊です。

 

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ブックレビュー:WEB+DB PRESS vol.61(2011年2月発売号 特集:実践!Titanium JavaScriptでiPhone&Android本格アプリ開発)
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2011/2/22 火曜日 matsui Posted in Android, iPhone, ブックレビュー 1 Comment »

昨日に続いて今日もブックレビューです。

WEB+DB PRESS vol.61(2011年2月発売号)に、Titanium Mobileを使ったiPhone・Android開発についての記事がありましたので、ご紹介します。

 


→ amazon WEB+DB PRESS vol.61 [amazon.co.jp]

→ 技術評論社 WEB+DB PRESS vol.61 [gihyo.jp]

 

Titanium Mobile(以下Titanium)は、カリフォルニアのAppcelerator社が提供している最近人気の開発環境で、JavaScriptでコードを書くことで、iPhoneやAndroidのネイティブアプリを開発できるものです。

今回の記事は巻頭特集として36ページものページを割いて特集が組まれており、このあたりからも人気の高さが伺えます。

 

記事の構成としては次の通りです。

第1章:Titaniumが拓くiPhone&Androidアプリ開発の世界
 Webアプリ開発者にとっての「救世主」

第2章:Titanium開発環境構築
 iOS SDK,Android SDK,Titanium,開発エディタの導入

第3章:Titaniumによる開発の流れ
 プロジェクト作成からビルドまでと,困ったときのKitchenSink

第4章:スマートフォンならではの機能を活用!
 カメラ,GPS,マップの使い方とWeb API連携

第5章:スマートフォンならではの情報を表示!
 検索結果の一覧表示と「ひっぱると更新」の実装

第6章:さらなる本格アプリ開発のために
 外部アプリとの連携とデータベースの活用

第7章:Androidならではの機能を活用!
 「はてなハイクアプリ」開発から学ぶアプリ間連携とメニューボタン活用法

 

Titaniumとは何かというところから、開発環境のインストール、カメラやGPSといったスマートフォン独自の機能の使い方、そしてさらなる本格アプリ開発と、順を追って解説されているため、どの層の人にとっても読める間口の広い記事になっていると思います。

さすがにJavaScriptの文法などの説明はないため、全くの素人には難しいですが、要所要所でサンプルコードも多く掲載されわかりやすい内容だと思いました。

 

わたしなどはWebページでのJavaScriptしか使ったことがないため、JavaScriptでネイティブアプリを書くのにはいったいどのように書かれているのだろうと疑問に思いましたが、これらのサンプルコードを見るうちに大体理解することができました。

 

他にもファイルシステムやSQLiteを使った内部データベースの利用や、検索バーや一覧表示などのスマートフォンならではのUI表示、はてなとの連携など、さらに一歩踏み込んだ実践的な記事も掲載されています。

 

Titaniumに興味を持っている方は多いと思いますので、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。

 

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